工場運営2026.04.17

工場パートさんへの声かけで生産性を上げる方法

「急いで」では伝わらない。クリーニング工場経営者が実践する「数字で声をかける」マネジメント。時間と枚数で目標を伝え、隙間時間をなくし、1時間で100枚の生産性アップを実現した方法を解説します。

工場運営マネジメント生産効率クリーニング工場

「もう少し急いでください」「早くやってもらえますか」

工場の管理者なら、一度はこう言ったことがあるのではないでしょうか。

私はクリーニング工場を経営していますが、この言い方を意識的にやめました。代わりに「数字で声をかける」ようにした結果、目に見えて生産性が変わった。今回はその具体的なやり方を書いていきます。

「急いで」が伝わらない理由

「急いでください」「早くやってください」の何が問題か。

"急ぐ"の認識は人それぞれだということです。

手を速く動かすことだと思う人もいれば、丁寧さを少し落として進めることだと思う人もいる。本人は急いでいるつもりでも、管理者から見るとスピードが足りていない。そこで「もっと急いで」と言ってしまうと、「急いでるのに…」と摩擦が生まれます。

これは指示の出し方の問題であって、パートさんの能力の問題ではありません。

数字で伝えると、解釈のズレがなくなる

代わりに実践しているのは、時間と枚数をセットで伝えることです。

具体的には:

  • 「あと15分あるので、これを15分で終わらせてください」
  • 「これは1分で何枚くらい畳める作業なので、自分で数えながらやってみてください」

数字で伝えると、誰が聞いても同じ目標になります。解釈のズレが起きない。「急いで」という曖昧な指示と比べて、摩擦が激減します。

無理のないペースが前提

ここで大事なのは、めちゃくちゃ急がせているわけではないということ。

「この畳み方で畳めば、この洋服なら何秒で畳める」という計算に基づいた、無理のないペースで達成できる目標を設定しています。正しいやり方で淡々とやれば、自然と達成できるライン。

急がせるのではなく、正しい速度を可視化する。これが持続可能なマネジメントです。

周りと比較しない。個別に目標を設定する

手作業が多い工場では、人によって畳める枚数に差があります。ベテランと新人では当然違う。これはしょうがないことです。

大事なのは、周りの人と比較するのではなく、その人自身の中でなるべく高いパフォーマンスを出してもらうこと

普段の作業を見ていると、「この人なら1分でこのくらい畳める」というのが分かってきます。そこから遅れていたら、「1分でこのくらい畳めるように意識してみてください」と個別に伝える。

一人一人に対して個別の目標を設定する。 そうすればパートさんも立ち止まらず、考えずに手を動かせます。

隙間時間をなくす声かけ

もう一つ意識しているのが、作業と作業の間の「何しようかな」の時間をなくすことです。

今やっている作業が終わりそうなタイミングで、次にやってもらう作業を私が前もって準備しておく。終わった瞬間に「次あっちお願いします」「あれをやってもらえると助かります」と声をかける。

パートさんのシフトは時間で決まっています。その時間をなるべく**「売上になる作業」**に使ってもらいたい。

「売上になる作業」に集中してもらう

前準備(洗う前の段取りなど)もそれ自体は仕事ですが、納品できる状態にならないとお金にはなりません

だから前準備はできる範囲で私がやっておいて、パートさんは出荷できる状態に仕上げる作業に集中してもらう。管理者の仕事は「パートさんが売上を生む作業に集中できる環境をつくること」だと思っています。

効果:1時間で100枚の差

これを意識して実践するだけで、1時間に畳める枚数は一人あたり何十枚と変わってきます

同じ時間に10人働いていて、各人がプラス10枚多く畳めるようになれば、1時間で100枚の生産性アップ。これを1ヶ月、3ヶ月、半年と続ければ、少ない人数で同じ仕事量をこなせるようになります。

前回のエピソードでも話した通り、毎年最低賃金が上がる中で人件費率の上昇を相殺するには、生産効率を上げるしかありません。その中で「声かけを変える」というのは、一番シンプルで、コストゼロで、今日から始められる方法です。

まとめ

  • 「急いで」「早く」は解釈がズレるので使わない
  • 代わりに「あと15分」「1分で何枚」と数字で伝える
  • 周りと比較せず、一人一人に個別の目標を設定する
  • 隙間時間をなくす声かけで、シフト時間の密度を上げる
  • 管理者の仕事は「パートさんが売上を生む作業に集中できる環境をつくること」

補足:声かけの「次」にあるもの

声かけで生産性が上がった次のステップとして、うちでは工場用アプリで「次にやること」を画面に表示する仕組みも作っています。

声かけは管理者が近くにいないとできない。でもアプリなら、管理者がいなくてもパートさんが画面を見て次のアクションを判断できる

自社で開発・運営しているクリーニング工場向けSaaS KIMAMANOSHIBUTSU では、工程進捗の可視化やバーコードによる個品追跡など、声かけだけでは追いきれない部分を仕組みで補完しています。

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