中小企業の黒字化は売上より先にコスト削減から始めるべき理由
黒字化を本気で目指すなら、売上アップより先にコスト削減から始めるべき。クリーニング工場経営者が、確実に結果が出るコスト見直しの方法と「意識し続ける」工夫を解説します。
「会社を黒字化したい」と考えたとき、多くの経営者がまず思い浮かべるのは「売上を増やすこと」ではないでしょうか。新しい営業先を開拓する、商品を増やす、広告を打つ。どれも間違いではありません。
でも、私はクリーニング工場を経営する中で、黒字化を本気で目指すなら**売上よりも先に手をつけるべきは「コスト削減」**だと考えるようになりました。
この記事では、その理由と、実際にどう進めればいいかを書いていきます。
黒字化の方法は2つしかない
会社を黒字にする方法は、突き詰めれば2つしかありません。
- 売上を上げる(入ってくるお金を増やす)
- コストを下げる(出ていくお金を減らす)
どちらも大事です。最終的には両方やる必要があります。ただ、先にやるべきはどちらかと聞かれたら、私は迷わず「コスト削減」と答えます。
なぜコスト削減が先なのか
理由はシンプルで、**コスト削減は「確実に結果が出る」**からです。
売上は、頑張ったからといって必ず上がるものではありません。営業に時間を使っても、相手の都合や市況、競合の動きなど、自分でコントロールできない要素が多すぎる。「今月は気合入れて営業した、なのに結果が出なかった」ということは、経営者なら誰でも経験があるはずです。
一方、コスト削減はどうでしょうか。
毎月支払っているサブスクを止めれば、その分は翌月から確実に手元に残ります。1,000円のサービスを止めれば、年間12,000円が確実に浮く。これは、自分の意思決定だけで完結する、不確定要素のない行動です。
経営の打ち手として、「結果が読める」というのは想像以上に大きな価値があります。
実際にやってみると、無駄は意外と多い
私自身もそうだったのですが、いざコストをリストにして棚卸ししてみると、**「これ、もう使ってないな」「いつか使うかもと思って放置してたな」**というものが結構出てきます。
特にサブスクリプション型のサービス。月1,000円〜2,000円のものが多いので、一つ一つは大したことないように見えます。でも、会社で契約しているものを全部書き出してみると、意外と数があるんですよね。
実際に「会社にとって本当に必要か?」という基準で照らし合わせていくと、思っていたよりいらないものが多いことに気づきます。
仮に5つ止められたとして、月10,000円。年間で120,000円。これだけあれば、新しい設備の頭金にしたり、従業員の働きやすさを改善する備品を買ったりできる金額です。
一度やって終わりにしないことが何より重要
ここからが実は一番大事なポイントなんですが、コスト削減は一回やって終わりにしてはいけません。
なぜかというと、状況は常に変わるからです。
- 半年前は使っていたツールが、今は別のものに置き換わって不要になっている
- プロジェクトが終わって、専用に契約していたサービスが宙に浮いている
- 試しに導入したものが、結局誰も使っていない
こういうことは、本当によく起こります。だから、定期的にリストを見直して、固定費を「正常化」させ続ける必要があります。
私のおすすめは、四半期に1回、全契約サービスを一覧化して棚卸しすること。リストにして眺めるだけで、「あ、これいらないな」がパッと見つかります。
一番難しいのは「意識し続けること」
正直に書きますが、これが一番難しいんです。
日々の作業に追われていると、コスト意識ってあっという間に薄れます。特に現場仕事をしている経営者は、目の前の業務に集中するあまり、お金の流れを見るのを忘れがちです。
私自身、感覚値で経営してきた部分が大きくて、気づいたらお金が垂れ流されていたり、赤字のままズルズルと続いてしまったりすることがあります。
だからこそ、「数字をこまめに見る習慣」をつくることが、黒字化の第一歩なんだと思います。月初に固定費リストを見る、四半期末に棚卸しをする、といったルーティンに組み込んでしまうのが一番です。
ちなみにこの「数字を見る習慣」と並行して、現場の数字が自動で見える仕組みもずっと作ってきました。うちのクリーニング工場でずっと困っていた「個品の所在」「工程の進捗」「請求書作成」を一つずつ仕組みにしてきた結果、同じ人数で回せる量が増えて、ミスも減りました。それを今は KIMAMANOSHIBUTSU(きままの私物) というSaaSとして他の工場にも提供しています(詳細は記事末に)。
売上にも目を向けつつ、まずはコストから
最後に補足しておくと、もちろん売上を上げる努力も並行してやるべきです。コスト削減だけで会社が大きくなることはありません。
ただ、まず先に手をつけるなら、コスト削減のほうが圧倒的に効率がいい。確実に結果が出て、自分の意思だけで進められて、しかも始めるのに特別なスキルもいらない。
「黒字化したいけど、何から始めればいいかわからない」という経営者の方には、ぜひ今日から固定費リストを作ることをおすすめします。
まとめ
- 黒字化の方法は「売上を上げる」か「コストを下げる」の2つ
- 先にやるべきはコスト削減。理由は「確実に結果が出る」から
- サブスクなど月数千円のものを棚卸しすると、意外と月1〜2万円浮く
- 一度やって終わりではなく、定期的にリストを更新する習慣をつくる
- 一番難しいのは「意識し続けること」。仕組みで解決するのがおすすめ
補足:同じ悩みから生まれたツールの話
正直に書くと、この記事の内容は全部「自分が一番痛感している当事者」として書いています。
うちのクリーニング工場(たのしむ株式会社)で、ずっと現場の課題を一つずつ仕組みにしてきました。その中で生まれたのが、自社で開発・運営しているクリーニング工場向けSaaS KIMAMANOSHIBUTSU です。
こんな課題を解決します:
- 衣類の所在が把握しきれない → バーコードで個品単位の追跡
- 工程の進捗が見えない → リアルタイムで可視化
- 請求書作成に時間がかかる → 作業記録から自動生成
「同じ3人でも生産数を増やしたい」「ミスを減らしたい」「請求業務の時間を取り戻したい」というクリーニング工場・リネン工場・私物洗濯代行業者の方には、まず無料デモがおすすめです。30分のオンラインで一通り見られます。
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